1 DDNSとは?
DDNS(ダイナミックDNS)サービスとは、
一般家庭のPCのように
「グローバルIPアドレス」が一定周期で切り替わっていても、
固定化されている「ホスト(ドメイン)名」
に、その都度(切り替わる度に)対応させることができるサービスです。
たとえば、
「xxx.mydns.jp」のような自分だけの「ホスト名(ドメイン名)」を
持っていたとします。
自宅PCのIPアドレスが一定周期で変更されても、
変更されたIPアドレスを「xxx.mydns.jp」に紐づける事で、
外部から見たら、自宅PCのIPアドレスが変更された事など関係なく、
「xxx.mydns.jp」にアクセスすれば
自宅PCに繋がるように利用できるようになります。
【図出典】
図1-1 ダイナミックDNS
DDNSでは、ホスト(ドメイン)名に対するIPアドレスを、
いつでも自由に変更できるようになっています。
DDNSサービスは、無料で提供しているところがいくつもありますので、
「固定IPを取得する方法」に比べて、
お金が掛からないのもメリットの一つです。
ただし、自宅PCのIPアドレスが変更されるたびに、
毎回そのIPアドレスを「xxx.mydns.jp」に紐付けてやる作業が必要になります。
作業自体は、
DDNSサービスを提供しているところの管理画面(Webサイト)にアクセスして、
IPアドレスを変更するだけで簡単なのですが、
これを毎回やるとなると、非常に手間になります。
この作業を自動化してくれるツールも存在しています。
よく知られているのがDiCEというツールです。
本記事では、
下に示す『MyDNS』というDDNSサービスの利用の仕方についてと、
DiCEというツールの使い方についてご紹介します。
図1-2 MyDNS.JP
2 『MyDNS』の特徴と利用手順
2.1 『MyDNS』の特徴
『MyDNS』」の特徴を、表2-1に整理しました。
表2-1 MyDNSの特徴
2.2 『MyDNS』の登録
まず、「MyDNS.JP」のトップページにアクセスします。
図2.2-1 MyDNS.JPのトップページ上部
上部のメニューから「JOIN US」をクリックします。
図2.2-2 MyDNS.JPトップページのメニュー
図2.2-3に示すアカウント登録ページが開きますので、
こちらを入力していってください。
「子IDの数」については、
自宅のPCのみ「固定化されたホスト(ドメイン)名」に対応させる場合は、
「0」のままで良いです。
全て入力できたら「CHECK」ボタンを押します。
図2.2-3 アカウント登録
図2.2-4に示す確認画面が開きますので、
大丈夫であれば「OK」ボタンをクリックします。
図2.2-4 登録確認
これで登録完了です。
登録が完了したら、図2.2-5に示す
「IDやパスワード」が記載されたメールが届きます。
図2.2-5 MyDNS.JP登録完了メール
2.3 『MyDNS』の利用
(1)ドメイン名の取得
「MyDNS.JP」のサイトにログインすると、
図2.3-1に示す登録者専用のメニューが表示されます。
次は、固定化する「ホスト(ドメイン)名」を設定していきます。
まず、「DOMAIN INFO」をクリックします。
図2.3-1 登録者用管理メニュー(ドメイン選択)
図2.3-2のドメインの設定画面が開き、
無料で使える「ドメイン一覧」が表示されてます。
図2.3-2 ドメイン選択
下にスクロールしていくと、
図2.3-3のように「取得するドメインの設定欄」が表示されます。
入力必須項目は、
「Domain(FQDN)」と「Hostname」「Type」(赤線部分)です。
図2.3-3 取得するドメインの設定
表2.3-1に、設定項目の説明を示します。
表2.3-1 ドメイン設定項目
各項目を入力できたら「CHECK」ボタンをクリックします。
図2.3-4のように確認画面が表示されますので、
「OK」ボタンをクリックします。
図2.3-4 設定ドメイン確認
図2.3-5に示す画面が表示されたら、ドメイン設定は完了です。
図2.3-5 ドメイン設定完了表示
(2)IPアドレスの紐付け
次に、設定したドメインに対して、自宅PCのIPアドレスを紐付けてやります。
「MyDNS.JP」の管理メニューから「IP ADDR DIRECT」をクリックします。
図2.3-6 登録者用管理メニュー(IPアドレス設定)
図2.3-7のように設定画面が開きます。
「IPv4 Address」の部分に、
自分のPCのグローバルIPアドレスを入力してください。
図2.3-7 IPアドレス設定
入力できたら、「CHECK」ボタンをクリックします。
図2.3-8 IPアドレス設定確認
これで、IPアドレスの設定は完了です。
図2.3-9 IPアドレス設定完了
以上で、自宅PCを固定化された「ホスト(ドメイン)名」に対応させる手順は終了です。
3 『DiCE』を利用して、IPアドレス更新作業を自動化する
3.1 『DiCE』の取得
DiCEは、DDNSサービスにIPアドレスを自動登録するソフトです。
DDNSサービスは、
IPアドレスが動的に変わる一般家庭のインターネット接続環境でも、
ドメイン名をもてるのが特長ですが、
IPアドレスが変わるたびに
登録ページにアクセスして新しいIPアドレスを登録し直さなければなりません。
DiCEは、
この面倒なIPアドレスの登録し直しを自動的に行ってくれるツールなのです。
DiCEは、下に示すURLのサイトからダウンロードすることができます。
DiCEのサイトを開くと、図3.1-1のような画面が開きます。
図3.1-1 DiCEトップページ上部
画面下方に、「Download Now!!」と表記された箇所があります。
そこで「DiCE」のインストーラをダンロードすることができます。
図3.1-2 DiCEダウンロードメニュー
3.2 『DiCE』の設定
インストールが終わると、DiCEが開きます。
開いたら、メニューの「イベント」から「追加」を選択します。
図3.2-1 イベントの追加
「イベントの編集」画面が表示されたら、
下図の赤線・赤枠部分を入力していきます。
入力が終わったら「保存」ボタンをクリックしてください。
図3.2-2 イベントの編集
表3.2-1 イベントの設定項目
「イベントの編集」が完了すると、
DiCEのトップ画面にイベントとして項目追加されます。
図3.2-3 イベントの実行
項目名を右クリックして「今すぐ実行」をクリックすると、
項目名の横にチェックマークが付きます。
これは正常に更新されたことを示しています。
図3.2-4 イベントの実行状態
ちなみに、「×マーク」が付いた場合は、
何かしら先ほど設定した情報に問題があり、
更新されなかったことを示します。
以上で、DiCEの設定に関しては終わりです。
これで、先ほど指定したタイミングに、
自動で「IPアドレスの更新作業」をおこなってくれます。